2004 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー照射ターゲットにおける流体力学的不安定性の抑制に関する研究
Project/Area Number |
03J03976
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
境家 達弘 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | レーザー核融合 / 流体力学的不安定性 / レイリー・テイラー不安定性 / レーザー / プラズマ |
Research Abstract |
古典的なレイリー・テイラー(RT)不安定性をよく知られているが、レーザー照射ターゲットにおけるRT不安定性には、噴出(アブレーション)、による安定化が存在する。理論式はγ=√<kg/(1+kL)>-βκν_a表されると考えられている。γはRT不安定性の成長率、kは擾乱の波数、gは加速度(重力)、Lは密度スケール長、ν_aはアブレーション速度、βは熱輸送機構に依存する係数である。ポリスチレンターゲットの場合、係数βは1.7と予測されている。各パラメーターをすべて計測することにより世界で始めて係数βの値を実験的に評価した。擾乱波長20μmではβ=2.0、擾乱波長50μmではβ=4.8が得られた。この結果より、中波長擾乱(50μm)では、RT不安定性の成長をさらに安定化させる物理機構の存在を示唆する結果が得られた。 そこでこの中波長領域の安定化メカニズムとして、密度擾乱分布による抑制効果を提案した。擾乱の界面から噴出したプラズマは、擾乱の谷の部分に集中するので密度の非一様が生じる。その密度擾乱がカット・オフ面より外側にも存在すると入射トーザーが曲げられる。この時、レーザーの集中が擾乱の山の部分で起こるとアブレーションが促進され、RT不安定性が抑制される。密度擾乱の存在を2次元の流体シミュレーションにより観測した。またその結果からレーザー光の収束による不安定性の抑制効果をモデル化し、実験と比較した。その結果、レーザー光の収束効果により中波長領域のRT不安定性の成長が抑制されることが示唆された。
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