Research Abstract |
内部観測ロボットが多種の感覚様式を用いて身体像を構築するためには,異なる感覚様式のセンサによって自身の身体を知覚し,その対応を自分で発見できる必要がある.これに対し,平成15年度では身体像構築の第一歩として,視・触覚を有するロボットが,知識が与えられない状況でこれらの知覚を結び付ける手法を提案したが,結び付けられる知覚,すなわち自分自身を触る(ダブルタッチ)際の知覚と自身の身体による視覚的な閉塞(自己閉塞)の知覚があらかじめ設計者によって量子化される必要があった.しかし,ロボットが人間の皮膚のように,埋め込まれたセンサが密集する柔らかい身体表面,すなわち擬人化触覚センサを持つとき,この量子化は一般に簡単でない. そこで平成16年度では,擬人化触覚センサを持つロボットを試作し,ロボットがダブルタッチの経験を通じて,結び付けのための量子化を自律的に行う手法を提案した.自分自身に注目するときのロボットの知覚は姿勢に関して不変であるとみなすことができる,という平成15年度の結果を適用すると,ロボットの姿勢を擬人化触覚センサのセンサデータについて回帰した関数は,ダブルタッチ時のそれらの関係を抽出したものとなる.従って,モジュール型の関数近似器である正規化ガウシアンネットワークを用いることで,各モジュールをダブルタッチの量子とすることが可能であると期待される.提案手法を試作したロボットに適用し,ダブルタッチを量子化できることを確認した.さらに,獲得された量子を用いて,平成15年度で提案した結び付けの手法を適用し,最終的に,実ロボットが自身の身体の同じ部位に対する接触と注視の結び付けが可能であることを示した.
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