2004 Fiscal Year Annual Research Report
極低速イオンを用いたナノレベルシャロードープ層形成及び分析技術の確立
Project/Area Number |
03J04013
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水原 譲 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 低速イオン銃 / 低速イオン銃 / スパッタリング / 高分解能深さ分析 / オージェ電子分光法 / デルタドープ / 仕事関数 / 二次電子 |
Research Abstract |
本研究では、低速イオン銃の開発と、その応用として未だ殆ど為されていない低速イオンによるスパッタリング現象の解明及びナノレベルシャロードープ層形成・分析技術の確立を目的としている。本年度は、開発した低速イオン銃を用いたGaAs/AlAs超格子の高分解能スパッタ深さ分析を行い、低速イオンスパッタリングにより誘起される特有の現象を見出した。更にBNデルタドープSi試料のスパッタ深さ分析を行い、高面内・高深さ分解能でのシャロードープ層分析が可能となる測定法を提案した。本年度に得られた研究成果は以下の通りである。 1.100 eV Ar^+を用いたGaAs/AlAs超格子深さ分析において、GaAs/AlAs界面では〜1nmの超高深さ分解能が得られたものの、AlAs/GaAs界面では深さ分解能が著しく劣化することが分かった。AESスペクトルの詳細な分析から、低エネルギー領域ではエッチングレートの差と選択スパッタリングにより深さ分解能の劣化が引き起こされていることが分かった。また、イオンのすれすれ入射により、エッチングレートの差と選択スパッタリングに起因する深さ分解能の劣化が大幅に低減した。本結果は、GaAs/AlAs試料を用いて低速イオンによるエッチング条件の最適化などを行う際には、低速イオン特有のスパッタリング現象の影響を考慮する必要があることを示している。 2.二次電子法を用いた仕事関数測定によるBNデルタドープSi試料のスパッタ深さ分析を行い、AESでは通常検出不可能であるBNデルタドープ層を検出することに成功した。これは、二次イオン質量分析法(SIMS)に比べて遥かに高い面内分解能を有するAES測定系を用いた高面内・高分解能でのシャロードープ層分析が可能であることを示唆する結果である。
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Research Products
(4 results)