2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J04068
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
飯田 拡基 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | フラビン / 有機分子触媒 / 酸素酸化 / 酸化反応 / 触媒反応 / Baeyer-Villiger反応 |
Research Abstract |
私はフラビン酵素反応を範とすることで新しい高選択的合成反応の開発を行っている。これまで私が用いていたフラビン化合物は魅力的な触媒であったが、その合成は難しく安価に調整することが困難であった。そこで今回私は大量に入手容易なフラビン骨格を有するリボフラビン(Vitamin B_2)から酸化活性を有する新規フラビン触媒(5-ethyl-3-methyl-2',4':3',5'-di-O-methylene riboflavinium perchlorate, DMRFlEtClO_4)を設計し、安価に合成することに成功した。 また、DMRFlEtClO_4触媒を用いてケトンのBaeyer-Villiger反応が進行することを見出した。分子状酸素存在下で亜鉛を還元剤として用いた本反応は効率良く進行し、例えばCH_3CN-EtOAc-H_2O(8:1:1)混合溶媒中、分子状酸素雰囲気下でDMRFlEtClO_4触媒2mol%、亜鉛末1.5当量と3-(2-naphtyl)-cyclobutanoneを撹拌すると7時間で対応するbutyrolactoneが94%収率で得られた。また、本反応は従来酸素酸化反応にない高い官能基選択性を示し、例えば、アルケニルやヒドロキシル基を有するケトンを基質に用いても、エポキシ化やアルコールの酸化を起こすことなくBaeyer-Villiger反応のみが進行した。この選択性はBaeyer-Villiger酵素反応と極めて類似しており、bicyclo[3.2.0]hept-2-en-6-oneの酸化では酵素を用いた場合と同じ二つの位置異性体が生成されることがわかった。
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Research Products
(1 results)