2003 Fiscal Year Annual Research Report
刺激応答性分子集合体を利用した生体機能模倣材料の調製とその応用
Project/Area Number |
03J04078
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉本 則子 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 人工シャペロン / スマートポリマー / 自己組織的分子集合体 / ストレス応答 / リフォールディング / ミクロ界面 / 疎水性 / 流動性 |
Research Abstract |
スマートポリマー(刺激応答性高分子)は,外部環境(温度変化・pH変化・塩濃度変化など)が変化した各種刺激条件下において疎水性・親水性などの特性変化および構造変化することが知られている.そこで,この性質を利用し,各種刺激条件下でミクロ界面の特性(疎水性・流動性)を制御できることを示した.さらに,これらスマート分子集合体を添加した条件において,タンパク質の再活性化収率の改善効果を解析し,スマートポリマー分子集合体のシャペロン活性の有無について検討した.モデルタンパク質としてはCarbonic Anhydrase from Bovine(CAB)を用いた.その結果,タンパク質の再活性化の過程に生ずる構造中間体(所謂,Molten-Globule状態)の表面特性に応じて分子集合体を適切に調製する手法を確立した.即ち,タンパク質の再活性化中間体の疎水性が小さい場合,高い流動性がなくても適度に高い疎水性を有する分子集合体の存在下で高い活性収率が得られ,一方,高い疎水性を有する場合,適度に高い疎水性と高い流動性を有する分子集合体存在下でタンパク質の高い再活性化収率が得られた.以上の知見に基づいてスマートポリマー分子集合体を利用することでタンパク質の表面状態により,タンパク質を認識しタンパク質の構造状態を制御する機能性の界面を提供できる可能性を示した.さらに従来報告されてきたタンパク質の再活性化方法よりも高濃度のタンパク質濃度条件でも効率的に再活性化できることを示した.
|
Research Products
(1 results)