2004 Fiscal Year Annual Research Report
IT環境の電磁波制御を図るフォトニック結晶に関する研究
Project/Area Number |
03J04090
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
兼平 真悟 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | フォトニック結晶 / ダイヤモンド構造 / 格子欠陥 / 面状導波路 |
Research Abstract |
誘電体を空間に周期的に配置した構造体はフォトニック結晶と呼ばれ、誘電体の周期と同程度の波長領域の電磁波を完全反射することができる。電磁波の反射領域はフォトニックバンドギャップと呼ばれ、フォトニック結晶の周期や結晶を構成する誘電体の誘電率を変化させることで制御することが可能である。フォトニック結晶内部に周期の乱れ(格子欠陥)を導入すると、特定の周波数領域の電磁波のみを選択的に透過できる、局在モードの形成が可能になる。前年において、格子欠陥を有するダイヤモンド型フォトニック結晶を光造形法を用いて作製し、局在モードの存在を確認した。本研究では、連続的に格子欠陥を導入することで、特定の周波数領域の電磁波を透過できる面状導波路の作製を試みた。 電磁気理論に基づきフォトニックバンドギャップの現れる周波数領域を計算し、ダイヤモンド構造のCADモデルを作製した。作製したモデルを元に光造形機を用い、エポキシ樹脂/TiO_2系セラミックスからなるダイヤモンド構造体サンプルを作製した。ダイヤモンド構造の中央部に空隙(空気欠陥)を導入し、13-20mmの範囲で変化させて電磁波透過率の変化を確認した。 ホーンアンテナとネットワークアナライザーを用いて、作製したダイヤモンド構造体サンプルにマイクロ波を透過させ、電磁波透過率の測定を行った。空壁の厚さが13、15mmの場合では透過率に変化は見られないが、17mm以上に広がると15.3-15.8GHzにおいて透過率の増大が見られた。つまり、特定のモードの電磁波が空壁に沿って進行している現象を示しており、面状導波路としての応用の可能性が示された。
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Research Products
(3 results)