2003 Fiscal Year Annual Research Report
Csk・Cbp及びそれら複合体の結晶解析によるCsk活性制御機構の解明
Project/Area Number |
03J04152
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小川 輝 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Csk / Cbp / 結晶構造解析 / チロシンキナーゼ / lime |
Research Abstract |
1、Csk・Cbp複合体の再構成並びに結晶化 本年度は様々なCbpの欠損変異体を大腸菌発現系によって調整し、Csk・Cbp複合体の調整を行った。結晶化には大量のサンプルが必要となるため、大きなスケール(mgオーダー)でのCbpリン酸化、複合体再構成、生成の条件検討を行った。これにより、一回の調製で1mg以上の高純度な複合体を得ることに成功した。現在までに2種類の欠損変異体での複合体調製に成功しており、結晶化条件の探索を行っている。 2、Csk・limeペプチド複合体の結晶化 Cbpのリン酸化部位付近の配列は、リン酸化されたCbpの可溶性部位と同様にCskを活性化する。従って本研究では、Cbpリン酸化部位付近の配列を用いたペプチドとCskの複合体の結晶かも視野に入れて行ってきた。しかしながらCbpにおいては、Csk結合配列付近の配列を用いたリン酸化ペプチドを合成すると、非常に疏水的なペプチドとなり、これがペプチド複合体の調製を困難にしていた。最近Cskに結合しその活性を上昇させる第二のアダプター分子として、limeが同定された。limeはCbpと異なり、Csk結合部位付近の数残基の配列が親水的であるため、リン酸化部位付近のペプチドを用いた複合体再構成が容易である。現在limeリン酸化ペプチド・Csk複合体の結晶化スクリーニングを行っており、Cskと同様の条件で結晶が析出することが分かった。今後得られた結晶がリン酸化ペプチドを含んでいるかの確認を行う予定である。
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