2004 Fiscal Year Annual Research Report
電気刺激を用いた網膜神経節細胞の神経保護に関する研究
Project/Area Number |
03J04208
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森本 壮 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 網膜神経節細胞 / 神経保護 / 電気刺激 / Insulin-like growth factor-1 (IGF-1) / ミュラー細胞 |
Research Abstract |
本年度実施した研究の概要 前年度に着手した、"電気刺激のRGCに対する神経保護のメカニズムの解明"を遂行した。 具体的には、前年度に、ラット眼を電気刺激すると、神経栄養因子の一つであるInsulin-like growth factor-1(IGF-1)のmRNAの発現だけが電気刺激後に持続的に上昇することを突き止めた。本年度は、そのIGF-1について、1.電気刺激によるタンパクレベルでの変化、2.電気刺激による網膜内の局在の変化、さらには、3.IGF-1が、電気刺激による網膜神経節細胞(RGC)の神経保護にどの程度関与しているのか検討した。 研究結果 研究1のためにウエスタンブッロットで、検討した結果、電気刺激1日後からIGF-1タンパクの発現が上昇し、電気刺激7日後から10日後に最高に達し、その後、低下していったが、14日後でも、そのIGF-1のタンパクの発現のレベルは、健常網膜と比較して高かった。 研究2を行うために、免疫組織染色を用いて検討した結果、健常網膜では、内境界膜にIGF-1がわずかに存在するだけだが、電気刺激を行うと、IGF-1タンパクが増大し、内境界膜から網膜外層に向かって、拡大していき、7日後では、内境界膜から内顆粒層までIGF-1タンパクの発現が広がった。さらに、IGF-1とglutamine synthetase (GS)の2重染色の結果、IGF-1がミュラー細胞から産生されることを見出し、さらに電気刺激によってミュラー細胞からのIGF-1の産生が促進されることがわかった。さらに、研究3を行うために、IGF-1のレセプターのアンタゴニストを用いて調べた結果、IGF-1のアンタゴニストによって、電気刺激によるRGCの生存促進効果が低下したことから、IGF-1は、電気刺激による神経保護に関与していることがわかった。このように、電気刺激によって、ミュラー細胞からのIGF-1の産生が促進され、その増大したIGF-1がRGCに対して神経保護的に働くことを明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Transcorneal electrical stimulation rescues axotomized retinal ganglion cells by activating endogenous retinal IGF-1 System2005
Author(s)
Morimoto, T., Miyoshi, T., Matsuda, S.Tano, Y., Fujikado, T., Fukuda, Y.
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Journal Title
Investigative Ophthalmology Visual Science (in press)
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