2005 Fiscal Year Annual Research Report
赤外エバネッセント光による高機能半導体薄膜欠陥のナノインプロセス計測に関する研究
Project/Area Number |
03J04262
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中島 隆介 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | エバネッセント光 / 近接場光学 / SOIウエハ / 光導波路 / FDTD法 / 近赤外光 |
Research Abstract |
今日の高度情報化社会において,その中心としての役割を担うものの一つに,SOI(Silicon On Insulator)ウエハがある.このSOIウエハは,通常のシリコンウエハの表面上にBOX(Buried Oxide)と呼ばれる絶縁層,更にその上に素子形成を行うシリコン層(SOI Layer)の2つの薄膜層を有するウエハである.これらの各薄膜層の厚さは,現在最も注目されるべきMPUなどの高機能半導体用の極薄膜型ウエハであれば,SOI,BOX層共に100〜200nmの範囲となっており,この数字は将来更に小さくなるものと言われている.当然,これらの薄膜層には高い完全性が要求され,各薄膜層内における欠陥検出が必要不可欠である.SOIウエハの各層を非対称3層誘電体スラブ導波路と見立て,シリコンを透過可能な近赤外光をSOI層内に伝播させることで,ウエハ表面にエバネッセント光分布を発生させ,近接場光学顕微鏡の原理を応用し,SOIウエハ表面に発生させたエバネッセント光分布について,欠陥による場の変化を検出することで,SOIウエハ薄膜層内に存在する欠陥検出を目的とした欠陥検出装置を試作した.またこの装置において,エバネッセント場の非線形性に着目した第2高調波検出法を試行し,導波路内に十分な強度の光が入射できれば基本波検出の場合よりも高いS/N比が得られることがわかった.また本装置により厚さ30μmの単結晶シリコン薄膜上に作製した擬似欠陥の検出を試み,大きさ300nm程度の欠陥を検出した.このことにより本手法がSOIウエハ表面層薄膜のみならず任意の薄膜の欠陥検出に応用できることを示した.
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