2004 Fiscal Year Annual Research Report
共役系高分子の電子・光物性と高効率有機EL及びレーザーデバイス応用に関する研究
Project/Area Number |
03J04265
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 悠一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 導電性高分子 / 微小共振器構造 / レーザー発振 / マイクロリング / 蛍光収率 / π共役長 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画は、ヘテロ原子含有共役高分子を用いたマイクロキャビティおよびマイクロイリンドリカル構造を作製し、その特性を検討することであった。本年度の研究で得られた知見と業績をまとめると、次のようになる。 前年度に引き続き、導電性高分子の主鎖中にπ共役系を切断し、π共役長を制御するためにスズ原子およびシリコン原子を導入したヘテロ原子含有共役高分子を用いた。これらの高分子は、従来知られている短波長(青色)発光導電性高分子と比較して非常に優れた蛍光収率を示すものである。その高い蛍光収率を生かすためにレーザー材料への応用を検討した。共振器として、光閉じこめ効果が高く、共振器の作製が非常に容易な微小共振器構造を考え、光ファイバ上にヘテロ原子含有共役高分子薄膜を形成させたマイクロリング構造の作製に成功した。さらに、スピンコート法により作製したヘテロ原子含有共役高分子薄膜をフォトリソグラフィー法によりパターン形成をし、さらにプラズマアッシャーによって残存レジスト材料および高分子薄膜を除去することによって直径が数十ミクロン〜数百ミクロンのヘテロ原子含有共役高分子マイクロディスク構造の作製に成功した。これらの微小共振器構造を用いて、レーザー光励起により多モードレーザー発振することを見いだした。これらのヘテロ原子含有共役高分子は青色レーザー材料として非常に有望であることを示した。 また、新しい微小共振器構造としてマイクロキャピラリ構造を考案した。これは、径数十ミクロンの管の内側表面に毛細管現象によって高分子薄膜を作製し、マイクロシリンドリカル構造とするものである。この構造をレーザー光励起することにより、多モードレーザー発振することを示し、微小共振器構造として優れた特性を示すことを見いだした。
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