2005 Fiscal Year Annual Research Report
共役系高分子の電子・光物性と高効率有機EL及びレーザーデバイス応用に関する研究
Project/Area Number |
03J04265
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 悠一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 導電性高分子 / 微小共振器構造 / レーザー発振 / マイクロリング / 蛍光収率 / π共役長 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画は、発光特性の優れた導電性高分子を用いて、高分子レーザーダイオードの実現を目指すというものであった。本年度の研究で得られた知見と業績をまとめると、次のようになる。 前年度に引き続き、導電性高分子の主鎖中にπ共役系を切断し、π共役長を制御するためにスズ原子およびシリコン原子を導入したヘテロ原子含有共役高分子を用いた。これらの高分子を用い、低コストな溶液プロセスによるマイクロリング、マイクロディスク、マイクロキャピラリ構造等の微細共振器構造を作製した。光励起によるレーザー発振の特性を評価し、電流注入デバイスに向けての発振しきい値等の検討を行った。 また、優れた特性を示すマイクロキャピラリ構造を用いて電流注入デバイスの実現に向けた新規材料の検討を行った。導電性高分子の中でも発光特性に乏しいが、電荷移動度に優れるレジオレギュラー型のポリ(3-アルキルチオフェン)を発光特性に優れたレジオランダム型ポリ(3-アルキルチオフェン)に配合し、毛細管現象によってマイクロキャピラリ構造中に複合膜を作製した。これはマイクロキャピラリ中で円筒形の共振器構造を形成しており、光励起によるレーザー発振を確認した。さらに電界効果型トランジスタ構造を作製し、電荷移動度の評価を行った。その結果、レジオランダム型のポリ(3-アルキルチオフェン)に対するレジオレギュラー型の配合比率を増大させるに従い、電荷移動度が急激に改善されることを見いだした。以上のことにより、電荷移動度の改善された導電性高分子の光励起レーザー発振に成功し、電流注入型レーザーダイオードに適した材料であることを示した。
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