2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J04285
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩永 茂樹 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | カルシウムイオン / 非線形刺激 / 非線形光学 / HeLa細胞 / fluo4 / fluo3 / indo1 |
Research Abstract |
非線形光刺激下における細胞反応の理解を目的として,光刺激によるカルシウムイオン波の誘起に対する蛍光カルシウムイオン指示薬の影響を調査した.蛍光カルシウムイオン指示薬の非線形光吸収が細胞刺激に大きく関与し,細胞を刺激するメカニズムに大きく影響を与えていると考えた. 蛍光カルシウムイオン指示薬を負荷したHeLa細胞を試料として用いた.レーザー照射(780nm,80fs,82MHz)後に細胞内で誘起されるカルシウム波を観察し,その発生確率を各レーザー強度で測定することで評価した.蛍光カルシウムイオン指示薬として,Fluo-4,lndo-1,Fluo-3(Molecular Probes)を利用した.対物レンズ(NA0.9)を用いることでHeLa細胞の細胞質内にレーザー光を8ms間集光した.レーザー光強度は20mWから60mWの間で変調した.レーザー強度が20mW以下の場合では,どの蛍光指示薬を利用した場合でもカルシウムイオン波は誘起されず,60mW以上では常に(100%)カルシウムイオン波が誘起されることを確認した.カルシウムイオン波を50%の確率で誘起することができるレーザー強度は,Indo-1では約50mW, Fluo-3及びF1uo-4では約35mWであった.この実験結果は,Indo-1の2光子吸収断面積がFluo-3及びFluo-4の2光子吸収断面積に比べ約2桁小さい(C.Xu et al. Bioimaging 4(1996))こととよく一致する.非線形光刺激によるカルシウムイオン波の誘起には蛍光カルシウムイオン指示薬の光吸収が影響していることがわかった.
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