2003 Fiscal Year Annual Research Report
植物ホルモンであるサイトカイニンの生理作用、及び作用分子機構の解明
Project/Area Number |
03J04343
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
樋口 雅之 大阪大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シロイヌナズナ / サイトカイニン / ヒスチジンキナーゼ |
Research Abstract |
シロイヌナズナにある三つのサイトカイニン受容体CREl/WOL/AHK4、AHK2、AHK3、これらの遺伝子破壊株について解析を行った、サイトカイニン応答能については、不定根誘導の阻害作用でCRE1/WOL/AHK4、AHK3それぞれの破壊株についてサイトカイニン感受性が低下したのに対し、AHK2破壊株では低下しなかった。しかし、カルス誘導ではいずれの破壊株でもサイトカイニン感受性が低下しており、これらのサイトカイニン感受性は二重破壊株では更に低下した。またそれぞれの破壊株を生育させた場合、大きな形態異常は見られなかったが、AHK2AHK3二重破壊株では地上部が矮小となった。更に三重破壊株を作成したところ、興味深いことに不稔で植物体全体が非常に矮小となってしまうが、植物体としての基本的な形態は形成された。これらのことから、それぞれのサイトカイニン受容体間で機能の冗長性や特異性があること、及びサイトカイニンは植物にとって重要な因子であるが、その基本的な形態形成については必須ではないことがわかった。また、サイトカイニンリン酸リレー系の因子間相互作用を調べるため、大腸菌や培養細胞を用いてこのリン酸リレー系を構成している蛋白質の発現、精製を試みている。現在までのところ、全てではないがいくつのリン酸転移中間体、レスポンスレギュレーターについては精製できている。今後はさらに精製蛋白質の種類を増やすとともに、これらの精製蛋白質を用いて因子間相互作用を解析していく。
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