2003 Fiscal Year Annual Research Report
グラム陰性菌初のABC型薬剤排出輸送体MacABの構造機能解析
Project/Area Number |
03J04363
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 伸好 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ABC transporter / topology / site-directed mutagenesis / drug efflux / macrolide |
Research Abstract |
ABC輸送体は生物界に普遍的に存在し、ATPのエネルギーにより、異物をはじめとする様々な基質を輸送する。RND型輸送体は、プロトン駆動力により、ペリプラズムに存在するmembrane fusion protein(以下MFPと略す)と外膜蛋白(特に大腸菌ではTolC)を介した菌体外への直接の輸送を行う。 MacBは、グラム陰性菌において初めて実験的に薬剤を排出することが確認されたABC輸送体であり、その機能にMFPであるMacAおよび、外膜蛋白であるTolCをその機能に必要とする。MacBは、そのアミノ酸配列より4回膜貫通構造をとると推定された。これは他のABC輸送体が少なくとも5回膜貫通構造をとると考えられていることを考えると珍しい特徴であると言える。 そこで私は、本研究室で確立された化学修飾法により、MacBのトポロジーの決定を試みた。この方法は、部位特異的に変異導入したシステイン残基に対する膜透過性SH修飾試薬NEMの反応性が膜不透過性SH修飾試薬であるAMSにより阻害されるかどうかを検討する方法である。 二つの膜貫通領域を間にとりえない30-40アミノ酸ごとにCysを導入し、そのシステインに対するSH修飾試薬の反応性を調べた結果、MacBは、4つの膜貫通領域しかとり得ないことが明らかとなった。このことはABC輸送体の輸送過程においてそれ程多くの膜貫通領域が必要でないこと示唆していると考えられる。この結果はFEBS Letterで発表された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kobayashi N, Nishino K, Hirata T, Yamaguchi A.: "Membrane topology of ABC-type macrolide antibiotic exporter MacB in Escherichia coli."PEBS Letter. 546(2). 241-246 (2003)