2003 Fiscal Year Annual Research Report
マウス初期胚での左右決定シグナルの伝播におけるGaf-1の役割
Project/Area Number |
03J04399
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 千夏 大阪大学, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 左右軸 / Nodal |
Research Abstract |
gdf-1のノックアウトマウスでは、左右軸形成時に左側板中胚葉でのnodalの発現が消失する。本研究では、左右軸形成時のgdf-1の役割に関して、マウス遺伝学、また蛋白分子の挙動や活性のアッセイを通して、gdf-1の働きを検証していた。 gdf-1の発現部位のうち左右軸形成時に重要な働きをする部位を同定するため、ノードの横あるいは側板中胚葉でgdf-1を発現するトランスジェニックマウスを樹立した。このトランスジェニックマウスとgdf-1変異マウスとの交配により、ノックアウトマウスでノードの横あるいは側板中胚葉でgdf-1を回復させた胚を得ることができた。この個体を用いて、Whole mount in situ hybridization法にて左側板中胚葉でのnodalなどの遺伝子の発現を観察している。 gdf-1のノックアウトマウスでは左側板中胚葉でのnodalの発現が消失することから、gdf-1の働きはNodalの活性増強、拡散促進にあると考えることができる。Nodalの活性増強、拡散促進におけるGdf-1の作用機構の解析をツメガエル胚、マウスを用いて行っている。Nodal、そのアンタゴニストであるLefty、Gdf-1をツメガエル胚にインジェクションすることにより、この3者間の相互作用を検討している。Gdf-1はNodalの活性を促進する働きを持つことがわかっている。 Gdf-1によるNodal活性促進は、NodalとGdf-1がヘテロダイマーを形成することにより起こると考えられる。これを検証するため免疫沈降法にて2者のダイマー形成を検出できるか検討する。免疫沈降に使用できるFlagタグ、HAタグ付きの各分子を作製し、ツメガエル卵母細胞の培養上清を用いた免疫沈降の系を確立した。
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