2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J04404
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 晋 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 電気生理 / Brain-Machine Interface / 独立成分分析 / ニューロン活動 / 多細胞記録 / 海馬 / 体性感覚野 / Dozentrode |
Research Abstract |
本年度は、脳神経活動が機械を操作するためのインターフェースの基幹部分であるニューロン活動を自動的かつリアルタイムに計測するシステム(RASICA)を開発した。 RASICAは、(1)ニューロン活動収録モジュール、(2)特殊電極、(3)マイクロドライブ、(4)ニューロン活動解析モジュールから構成されている。 ニューロン活動収録モジュールは、増幅された最大64チャンネルのニューロン活動を同時に収録することができ、それらをD/Aコンバータを介しディジタル化する。 (1)このディジタル化されたデータは、複数のニューロン活動を含んでいるため、個々のニューロン活動に分離・抽出しなければならない。ところが、既存手法では詳細なニューロン相互作用を検出することができなかった。これらの問題を解決するために、12本のマイクロワイヤーを一束にした特殊電極(Dozentrode)を開発した。 (2)多数のニューロンを安定かつ長期間に渡り記録するために、Dozentrodeを独立に稼動させることが可能な専用マイクロドライブを開発した。その計測対象領域は、体性感覚野はもちろんのこと、海馬などの深部をもカバーすることができる。 (3)Dozentrodeから得られた多量の情報を含んだ神経活動を有効に活用するために、独立成分分析を組み込んだアルゴリズムを開発した。このアルゴリズムを用いることにより、リアルタイムかつ正確に複数のニューロン活動から個々のニューロン活動を分離抽出することが可能になった。 本年度作製したシステムRASICAは、来年度に開発予定であるニューロン活動を機械の操作情報に変換するプログラムの基盤となるシステムであり、脳神経活動が機械を操作するためのインターフェイスをより精巧で有効なものにすると期待できる。
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