2003 Fiscal Year Annual Research Report
インド・ゴアにおける言語ナショナリズムの歴史と現在に関する文化人類学的研究
Project/Area Number |
03J04539
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松川 恭子 京都大学, 人文科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | インド / ゴア / 言語ナショナリズム / コーンクニー語 |
Research Abstract |
平成15年8月6日〜9月27日にわたる約7週間、インド・ゴア州で現地調査を行った。調査内容は主に次の二点にまとめられる.(1)ゴア内外の現地語コーンクニー語ナショナリズムの歴史的起源を明らかにするための、ポルトガル植民地時代の政府・教会が行った言語政策関連の一次・二次資料調査(ゴア州立図書館、ゴア州立文書館、ザビエル歴史研究センター、ゴア教会本部において実施)。(2)コーンクニー語大衆劇ティアトルに関する予備調査(劇の鑑賞、劇団関係者へのインタビュー、州レベルでのアマチュア劇団コンテストの調査、劇中歌カンタールのテープ・CDの収集)。特に(2)は、ムンバイやデリーといったインド国内公演のみならず、アラブ首長国連邦やクウェートでの海外公演を行っており、コーンクニー語ナショナリズムが在外ゴア人コミュニティに拡大していく媒体として注目される。 以上の現地調査で得られたデータをまとめ、以下の発表を行った。 ・「大衆演劇ティアトルにみる『ゴア文化』の諸相」(「トランスナショナリティ研究」ワークショップ、於大阪大学人間科学研究科、平成15年11月28日) ・「植民地主義・宣教・言語:インド、ゴアにおけるキリスト教徒の事例」(平成15年度国立民族学博物館共同研究会「キリスト教と『文明化』の人類学的研究」、於国立民族学博物館、平成16年2月21日) 今年度後半は、言語ナショナリズムと、言語ナショナリズムが生起してくる際の書き言葉と話し言葉の役割に関する文献調査を実施し、レビューを行った。
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Research Products
(1 results)