2003 Fiscal Year Annual Research Report
大規模電磁流体・粒子シミュレーションによる太陽フレアの3次元構造と粒子加速の研究
Project/Area Number |
03J04616
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田沼 俊一 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 太陽フレア / 電磁流体シミュレーション / 粒子加速 / 硬X線 / 乱流 / 高エネルギー粒子 / 磁気リコネクション / 衝撃波 |
Research Abstract |
YohkohやRHESSI衛星などによって、太陽からのX線やgamma線が観測されている。例えば、インパルシブ・フレアと呼ばれるある種の太陽フレアでは、磁気ループの頂点と2つの足元から、高エネルギー粒子から放射される強い硬X線が観測されている。しかし、それらの生成の原因は、よく分かっていない。 そこで、我々は本論文で、リコネクション・ジェット内部に多重衝撃波が発生し、それらの衝撃波によって粒子加速が起こっているのではないかと提案する。その可能性を検証するために、高分解の2次元電磁流体(MHD)シミュレーションを行い、太陽フレアの原因である磁リコネクションが、どのようにしてリコネクション・ジェット内部に多重衝撃波を作るのか調べた。そのために、初期条件として単純な電流シートを仮定し、電流シート中央に摂動を与えた。 その結果、初期の電流シートが以下の順に時間変化することが分かった。 1.テアリング不安定性によって徐々に薄くなる。 2.その非線形段階で薄く潰れ、Sweet-Parker型の電流シートを作る。 3.薄く長くなったSweet-Parker型シート中で、再びテアリング不安定性が発生する.(セカンダリー・テアリング不安定性)。その結果、小さなプラズモイドがたくさん作られる。 4.プラズモイドが飛ばされた直後に、電流シートが急激に薄くなり、異常抵抗が励起される。その結果、Petschek的な速いリコネクションが始まる。 この時、セカンダリー・テアリング不安定性によって作られるプラズモイドが次々に飛ばされ、ジェット内部に多重衝撃波が作られる。最終的に、ジェット内部は乱流状態になる。 我々は、以上のようにしてジェット内部に多重衝撃波が作られ、そこで高エネルギー粒子が加速されているのではないかと提案する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Hirose 他: "Numerical Examination of the Stability of an Exact Two-Dimensional Solution for Flux Pile-Up Magnetic Reconnection"Astrophysical Journal. (発表予定). (2004)
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[Publications] S.Tanuma 他: "Internal Shocks in Magnetic Reconnection Jet in the Flare"ASP Conference Series. (発表予定).
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[Publications] S.Tanuma 他: "Rayleigh-Taylor Instability Induced by the Collision between the Magnetic Reconnection Jet and Magnetic Loop"ASP Conference Series. 289. 469 (2003)