2005 Fiscal Year Annual Research Report
大規模電磁流体・粒子シミュレーションによる太陽フレアの3次元構造と粒子加速の研究
Project/Area Number |
03J04616
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田沼 俊一 京都大学, 大学院・理学研究科花山天文台, 特別研究員PD
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Keywords | 太陽フレア / 電磁流体(MHD) / 磁気リコネクション / 粒子加速 / 衝撃波 / テアリング不女定性 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
太陽フレアにおける磁気リコネクションと、磁気リコネクションによる磁気エネルギーの解放や粒子加速について、大規模電磁流体・粒子シミュレーションによって調べた。特に、太陽における磁気エネルギー解放の過程や、高温ガスや高エネルギー粒子の生成・閉じ込めの過程を、明らかにした。例えば、「インパルシブ・フレア」は硬X線を放射している。その原因となる高エネルギー粒子は、太陽フレア中の衝撃波によって作られていると考えられているが、詳しいことはは分かっていない。そこで、太陽フレアにおいて、磁気エネルギー解放の様子・衝撃波形成の様子・高エネルギー粒子生成の様子や、3次元磁場構造(乱流磁場など)による高エネルギー粒子の閉じ込めの可能性を調べた。その結果、太陽フレアでは、向きの違う磁場同士が多段階のテアリング不安定性を経ることで徐々に薄くなって最終的に速い時期リコネクションを発生することが分かった。そして、その時起こる速い磁気リコネクションの際、散逸領域におけるセカンダリーテアリング不安定性やリコネクションジェット(流出流)中のケルビンヘルムホルツ不安定性によって、リコネクションジェット中に多重衝撃波が発生することも分かった。もしこのような磁気リコネクションジェット中の多重衝撃波(条件によっては強い衝撃波[斜め衝撃波]が発生する)が実際の太陽フレア中で起こっているとすれば、粒子加速に利くはずである。また同様の現象は、地球磁気圏・ブラックホール磁気圏・原始星・プラズマ実験などでも現れるはずである。
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