2004 Fiscal Year Annual Research Report
超高分解能X線中性子線結晶構造解析を用いた酵素反応に関わる水素原子の機能解明
Project/Area Number |
03J04715
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 哲哉 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | エンドポリガラクツロナーゼ / 中性子結晶構造解析 / 超高分解能結晶構造解析 / 酵素反応機構 |
Research Abstract |
一般酸-塩基触媒機構によって触媒される酵素エンドポリガラクツロナーゼの反応を、水素(プロトン)の状態を含めて理解するため、水素を含めた構造決定が可能な中性子結晶構造解析および超高分解能X線構造解析を行った。また、基質認識機構を解明するため、酵素基質複合体結晶のX線結晶構造解析を行った。 1)中性子結晶構造解析 昨年度作成した中性子解析用の巨大結晶(約4ミリ立方)を用いて、生成物ガラクツロン酸との複合体結晶の解析を試みた。結晶は、測定のバックグランド低減と複合体の形成のため、ガラクツロン酸2%とMPD10%を含む重水母液に透析した。測定は、日本原子力研究所のBIX-4において行い、1.5Åの中性子回折強度データを得た。解析の結果、ガラクツロン酸の結合を確認し、その結合に関与する水素結合の方向を可視化することに成功した。 2)超高分解能X線構造解析 より分解能が高いデータ収集を目指して、クライオプロテクタントの再検討を行い、イソプロパノール15%とガラクツロン酸2%を含むものを採用した。SPring-8のBL-41XUにて、0.6ÅのX線と、大面積IP検出を使用してデータの収集を行った。その結果、0.68Åというタンパク質結晶としては特筆すべき超高分解能の回折強度データが得られた。現在、得られたデータを用いて水素原子を含めた構造精密化を継続している。 3)酵素基質複合体結晶のX線結晶構造解析 酵素基質複合体を安定化するため、酸触媒残基ASp173をAsn残基に置換した変異体酵素を設計し、天然型酵素と同条件にて大腸菌で大量発現、精製、結晶化を行った。結晶を基質ガラクツロン酸6量体を含む溶液に浸漬後、SPring-8のBL-38B1で1.15Å分解能の回折強度データを測定した。解析の結果、基質分子の電子密度が確認され、エンドポリガラクツロナーゼの酵素基質の構造決定に初めて成功した。
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Research Products
(1 results)