2004 Fiscal Year Annual Research Report
ユウレイボヤにおける中胚葉誘導の分子メカニズムの解析
Project/Area Number |
03J04751
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 薫 (今井 薫) 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | リアルタイムPCR / ホヤ / 下流遺伝子 |
Research Abstract |
ユウレイボヤにおける胚発生に必要な遺伝子のネットワークを明らかにするために、まずユウレイボヤのすべての転写因子の発現を解析した。ユウレイボヤEST解析により得られたクローンとゲノム配列より予測した遺伝子に基づきスクリーニングで単離したものあわせて389個の転写因子についてすべてin situ hybridization法により受精卵から後期尾芽胚までの発現を調べた。この数はユウレイボヤのすべての転写因子をほぼ網羅する。ただしzinc fingerをもつ転写因子につては、転写因子として働くかどうか不明なものもあるので、転写因子として働くことが他の生物の研究から明らかになっているもの以外は解析の対象から外した。これらの転写因子の発現パターンはその写真とともにデーターベース化しインターネットで見られるようになっている(http://ghost,zool.kyoto-u.ac.jp/tfst.html)。解析された389個の遺伝子のうち、zygoticな発現が見られたものが199個あった。また、389個の遺伝子のうち、224個にいては母性での発現が認められた。 これらの転写因子の発現パターンをもとにして、さらに遺伝子間のネットワークを明らかにするため、まず始めにβカテニン、FoxD,FGF9/16/20の2つの遺伝子についてその下流遺伝子をreal time PCR法を用いて探索した。これらのFoxD,FGF9/16/20については私が以前に行った解析により、ホヤ初期胚の脊索誘導において重要な役割をもっていることが明らかとなった遺伝子である。また、βカテニンは植物極側の細胞運命の決定に重要な役割をもっていることが明らかになっている。real time PCRの結果38個のβカテニンの下流遺伝子、9個のFoxDの下流遺伝子、10個のFGF9/16/20の下流遺伝子が明らかになった。
|
Research Products
(4 results)