2005 Fiscal Year Annual Research Report
海洋性超好熱古細菌ゲノムの網羅的機能解析に向けた遺伝子操作系の開発
Project/Area Number |
03J04791
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 礼士 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 超好熱古細菌 / Aeropyrum pernix / 多様度解析 |
Research Abstract |
本年度も、前年に引き続き、より汎用性の高いベクター系の構築を目指し、新規のAeropyrum株の分離をおこなった。本年度は九州、小浜温泉においてサンプリングを行い、本菌の分離を試みた結果、新規のAeropyrum株を分離することに成功した。タイプストレインとのDNA-DNA交雑試験を行った結果、73%の値を得たことから、小浜株はA.pernixと同種であるものの、遺伝的に多様な変異を獲得している可能性が示唆された。また宿主ライブラリーの拡充には遺伝的多様の高い株を得ることが必須であることから、分離した株の多様性を瞬時に測ることができる分子マーカーの選択を行った。本年度はAFLPを用いて本菌の種内多様を解析することを目的とした。実験に供試した35株のAeropyrum pernixからゲノムDNAを抽出した後、市販キットを用いてAFLP解析を行った。なお、セレクティブプライマーは+A、+T、+Gを用いて信頼性の向上を図った。また、バンドの抽出にはGeneScan 3.1 software(Applied Biosystems, USA)を用いた。クラスター解析にはDice coefficient and the Ward algorithmを用いてBioNumerics 3.0 software(Applied Maths, Belgium)にて行った。AFLP解析の結果、A.pernixは分離した地域ごとにクラスターを形成した。さらに同一の地域でも物理的な特性の違う泉源ごとに、さらなる変異が確認できた。この結果より、A.pernixは環境からの制約を大きく受け泉源ごとに種内変異を持つことが確認された。今後、これらの変異を有する株についてそれぞれ、遺伝子改変系を応用し、改変可能株であるかどうかのスクリーニングを行うことが望まれる。
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