2004 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧とその合併症における血管運動中枢の分子機構の解明
Project/Area Number |
03J04808
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水谷 健一 京都大学, 再生医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | エレクトロポレーション / マウス / loxP-Cre / 神経幹細胞 |
Research Abstract |
脳卒中をはじめとする高血圧の合併症は日本人の主要な死因の一つである。高血圧が持続すると様々な脳血管障害の原因となることから、これら疾患を如何に克服するかが急務な課題である。しかしながら、中枢神経系における高血圧の分子レベルでの理解は乏しいのが現状である。 高血圧や脳卒中の中枢神経系における分子レベルでの解明、および再生治療の実現には、heterogenousな神経幹細胞の性質、機能の理解、あるいは分化した多種多様なニューロンの解析が必要不可欠である。しかしながら、ある特定の未分化、分化した細胞集団のみに遺伝子を導入、制御、あるいはそれらを可視化することは従来の手法では容易なことではない。こうしたことから、研究代表者は、マウス中枢神経系へのin vivoエレクトロポレーションを応用してある特定の神経幹細胞、あるいは分化したニューロンに遺伝子を導入する技術を開発した。すなわち、loxP挟んだ遺伝子からなる発現ベクターをマウス胎生期13.5日目に側脳室にマイクロインジェクションを行った後、エレクトロポレーションによって、空間的に限られた大脳皮質の神経幹細胞に遺伝子導入を行った。引き続き、胎生期15.5日目にCre発現ベクターを同じ領域に導入することで、限られた時期の限られた領域の神経幹細部でターゲット遺伝子の発現を制御できる実験系を開発した。 本年度は、神経分化に抑制的に働いている遺伝子を時期、領域特異的に制御することで、時間依存的な神経幹細胞の性質の変化を分子生物学的手法によって解析した。これらの研究成果は日本分子生物学会にて学会発表されるとともに、国際学術誌Development誌に報告された。
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Research Products
(1 results)