2003 Fiscal Year Annual Research Report
レドックス調節による網膜光障害抑制機構の解析、及び臨床応用のための基礎研究
Project/Area Number |
03J04823
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷戸 正樹 京都大学, ウイルス研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | チオレドキシン / 網膜光障害 / 酸化ストレス / アポトーシス / 視細胞 |
Research Abstract |
1,培養視細胞株を用いた光障害実験 1)マウス視細胞由来細胞株に、チオレドキシン発現遺伝子を細胞内導入し、ネオマイシンによる細胞選別を行い、チオレドキシン高発現視細胞株を樹立した。 2)視細胞株に可視光照射を行い、光障害モデルの条件設定を行った。 3)チオレドキシン高発現細胞は、コントロールベクター導入細胞と比較して、光照射後の細胞障害(細胞数の減少)および、アポトーシス(DNA断片化、カスパーゼ3の上昇)が抑制された。 4)チオレオドキシンの細胞内高発現は可視光による細胞障害に防御的に働くと考えられた。 2,マウスを用いた網膜光障害実験 1)白色マウス(Balb/c、4wks、オス)にゲラニルゲラニルアセトンを経口投与(1mg/day)し、網膜組織でのチオレオドキシンの誘導効果を検討した。投与5日で、網膜色素上皮細胞にチオレオドキシンの誘導が認められた。 2)白色マウス(Balb/c、4wks、オス)に白色光を照射(8000ルクス、2時間)し、網膜光障害を惹起した。 3)ゲラニルゲラニルアセトンを経口投与した後、光照射を行った。 4)ゲラニルゲラニルアセトンを前投与したマウスでは、生理食塩水を投与したマウスと比べ、網膜障害(残存視細胞数、TUNEL染色陽性細胞率、網膜電図)が有為に抑制された。また、酸化ストレスマーカーである8ハイドロキシデオキシグアノシンの視細胞での生成が著名に抑制された。 5)ゲラニルゲラニルアセトンのチオレドキシン誘導効果が生体においても確認された。 6)ゲラニルゲラニルアセトンの前投与は網膜光障害に抑制的に働くと考えられた。
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Research Products
(1 results)