2005 Fiscal Year Annual Research Report
レドックス調節による網膜光障害抑制機構の解析、及び臨床応用のための基礎研究
Project/Area Number |
03J04823
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷戸 正樹 京都大学, ウイルス研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 網膜光障害 / 過酸化脂質 / 酸化ストレス / 神経保護 / アポトーシス / 網膜電図 / 4-ヒドロキシノネナール / 4-ヒドロキシヘキセナール |
Research Abstract |
1,網膜光障害モデルにおける、脂質過酸化マーカーhydroxyoctadecadienoic acid(HODE)、(8-iso-prostaglandin F2a 8-iso-PGF2a)の検出。 (1)白色マウスに5000ルクス、2時間の白色光照射を行った。 (2)光照射後96時間目まで、経時的に眼球を摘出し、ガスクロマトグラフィーで、網膜内のHODE、8-iso-PGF2aを検出した。 (3)光照射24時間目に、有為なHODE、8-iso-PGF2aをの上昇が観察された。 (4)HODE、8-iso-PGF2aをは、生体で有効な新規網膜障害マーカーである。 2,網膜光障害における酸化修飾蛋白質の検出及び同定。 (1)暗環境下で飼育した白色ラットに5000ルクス3時間の白色光を照射した。 (2)光照射後48時間目まで経時的に眼球摘出し、網膜組織内でのアルデヒド修飾蛋白質量を、抗4-ヒドロキシノネナール、抗4-ヒドロキシヘキセナール抗体を用いたドットブロットウェスタンで解析した。 (3)光照射直後より、網膜あるいは網膜色素上皮において、修飾蛋白質量の上昇した。 (4)免疫組織染色によって、修飾蛋白質の蓄積が見られた網膜部位は、後のアポトーシス、あるいは細胞脱落部位と一致した。 (5)網膜サンプルを2次元電気泳動で展開し、抗4-ヒドロキシノネナール抗体を用いたウェスタンブロットを行い、ペプチドマスフィンガープリントの手法で、光照射によって、酸化修飾を受ける蛋白質を同定した。 (6)同定された蛋白質には、主として、エネルギー代謝、シャペロン、核酸代謝、フォトトランスダクションに関わる蛋白質が含まれていた。 (7)アルデヒドによる、蛋白質の修飾が、網膜光障害の惹起に関わる分子機構である可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)