2005 Fiscal Year Annual Research Report
内分沁攪乱物質が雄マカクザルの精子形成に及ぼす影響-ヒト精子形成障害モデルの確立
Project/Area Number |
03J04832
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 麻里子 (大塚 麻里子) 京都大学, 霊長類研究所, 特別研究員
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Keywords | 内分泌撹乱物質 / 精巣 / 精子形成 / ホルモン / エストロゲンレセプター / エストロゲン |
Research Abstract |
本研究では、マカクサルに内分泌撹乱物質を経口投与した場合の精巣機能および精子形成能の変化について調べた。 今年度は、エストロゲンを妊娠初期のサルに投与し、これらのサルから自然分娩または帝王切開により得られた新生児を4%パラホルムアルデヒドで灌流固定を行い、組織を採取し、パラフィン包埋し、組織切片を作製した。これらの切片を用いて免疫組織化学的手法を用いてエストロゲンレセプター(ER)αおよびβの局在性について調べた。その結果、ERαおよびβはいずれも、正常コントロールオス新生児、メス新生児ともに視床下部の腹内側核に発現していた。エストロゲン投与ザルから生まれた新生児においてもオスメス新生児ともにERαおよびβは視床下部の腹内側核に発現していた。しかし、エストロゲン投与ザルの新生児ではエストロゲンを投与されていない正常コントロール新生児とくらべ、腹内側核におけるERαおよびβは減少傾向にあった。また、性腺におけるERβの発現についても視床下部と同様に免疫組織化学的手法を用いて正常コントロールオス新生児、メス新生児の精巣および卵巣、エストロゲン投与ザルのオスおよびメスの新生児の精巣および卵巣についてしらべた。その結果、正常コントロールオス新生児の精巣およびエストロゲン投与ザルのオス新生児の精巣、メス新生児の卵巣では、ERαの発現が精巣では精細管の中の精粗細胞とおもわれる細胞の核に、卵巣では原始卵胞の細胞質および顆粒膜細胞の核にみられた。しかし、正常コントロールメス新生児の卵巣ではERβの発現はみられなかった。さらに、エストロゲン投与ザルのメス新生児の卵巣では顆粒膜細胞がみられるが、正常コントロールメス新生児の卵巣では顆粒膜細胞の発現はみられなかった。
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