2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J04845
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊勢戸 徹 京都大学, 総合博物館, 特別研究員(PD)
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Keywords | 内肛動物 / 曲形動物 / 分類 / 無脊椎動物 / 共生 / Entoprocta / Kamptozoa / Commensalism |
Research Abstract |
従来、他の動物の体表などに付く共生性のグループだと考えられてきた単体性内肛動物について、その共生について過去の全ての文献情報を整理し、論文にまとめた。特に内肛動物の宿主となる動物群にどのような例が知られているのかを挙げ、宿主の特異性が非常に低い(つまり場当たり的にその動物に付いただけと思われる)例が多いこと、さらには共生と考えられるような利点が全く見いだせない例があることを指摘した。このような考察を通して、明らかに宿主に依存している共生性の種が多くいることは事実としながらも、全く生態の異なる非共生性の種も少なくないという認識を明確に示した。 単体性内肛動物の属間で違いが見られる足の構造に関する比較組織学的な作業として、Loxosoma, Loxosomella, Loxocorone, Loxomitra属のそれぞれ1種について足の構造を透過型電子顕微鏡で観察していたが、データが十分でない点があったので不足点について解析を行った。特に足を構成する細胞の中で相同なものを明確にして足の構造の共通点と相違点を比較しようとしている。これによって属間の系統と属の再検討の考察を進めている。 沖縄産の単体性内肛動物について更に調査を進めた結果、新たに数種を見つけた。この中で非共生性の2種について記載作業がほぼできている。他にもカイメン類に付着する種を数種見つけたが、これらについては今後詳細な分類学的検討が必要な状況である。
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Research Products
(4 results)