2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J04868
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
朴 真完 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 朝鮮資料 / 捷解新語 / 救急易解方 / 漢語 / 資料性 / 中世日本語 / 近代韓国語 / 日本語的表現 |
Research Abstract |
平成15年度は、「朝鮮資料」のうち、『捷解新語』を中心に、原文と対訳文との相互関係についての研究を行った。 まず、「『救急易解方』についての一考察」(2003)は、朝鮮版『救急易解方』の書誌・内容について述べたものである。 また、「『捷解新語』の語彙改訂の方向性-語種改訂を中心に」(2003)は、『捷解新語』語種改訂の様相と語種改訂の方向性、そして、その改訂目的について述べたものである。『捷解新語』改訂の方向性については、原文と対訳文での漢語使用が、共に増加していくことが確認できる。当時においては、漢語の多用によって、「重々しい身分の者とか学者とかが談話に用ゐるところのもの」という表現ができたのである。つまり、『捷解新語』における漢語への語彙改訂は、「外交実務に相応しい荘重な雰囲気の文章に替える」(『日本大文典』)との目的意識の下で行われた、意図的な改訂であったと考えられる。 そして、「近代韓国語資料『捷解新語』の資料性の検証-対訳文の改訂例を中心に」(2004)は、『捷解新語』対訳文を近代韓国語の資料として利用するために、対訳文の資料性の検討を行ったものである。原刊本の対訳文では、近代韓国語として不自然に感じられる語構成、構文、表現等が存在するが、改訂を通じて、これらの表現は近代韓国語で許容できる表現に替えられることが確認できる。すなわち、『捷解新語』対訳文の資料性は、少なくとも重刊本に至っては、多くの場合、近代韓国語資料の第一次資料として利用できると判断される。
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Research Products
(2 results)