2004 Fiscal Year Annual Research Report
ガンマ線バーストの放射機構の解明と超高エネルギー宇宙線の起源の研究
Project/Area Number |
03J05008
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山嵜 了 大阪大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 高エネルギー宇宙物理学 / ガンマ線バースト / 高エネルギー宇宙線 / 宇宙線粒子加速 / 相対論ジェット / 衝撃波 / 超新星残骸 |
Research Abstract |
我々はガンマ線バースト(GRB)の放射機構を探ることで、その中心天体やジェットの構造に対する議論を行った。また、銀河系内にある超新星残骸における衝撃波の詳細観測の結果から高エネルギー粒子加速に対する重要な知見を得た。主な成果は以下の通りである。 1.GRBの典型的な光子エネルギーと明るさの間に強い相関があることを示し、さらにそれは新たな距離指標として用いて、BATSE検出器で受けられたGRBの距離を推定しGRBの生成率や光度関数を求めた。 2.GRBの典型的な光子エネルギー(Ep)と全エネルギーについて観測的に求められた関係の物理的解釈を相対論的ジェットの放射モデルをもちいて世界ではじめて与えた。エネルギーやEpの小さいイベントはジェットをななめ方向からみたとすると相対論的ビーミング効果によって説明できる。 3.継続時間の短いGRB,長いGRB, X線フラッシュ等に観測的に多様に分類される種族を統一的に説明するモデルを世界で初めて提唱した。ジェットが非一様な内部構造をもつと仮定すれば、ジェットを見込む角度の違いだけで観測的多様性を説明可能であることを示した。 4.3で仮定したようなジェットの内部構造を観測から決定するために、重力波の記録効果を用いた方法を提唱した。 5.GRBの継続時間の二極性を、3で提唱したモデルを用いて説明できることを示した。 6.過去の古文書等の文献に記録されて正確に年齢のわかっている超新星残骸を空間分解能に優れたX線天文衛星Chandraで観測し、いくつかの観測量を年齢順にならべることで衝撃波付近の磁場は熱的プラズマとエネルギー等分配を保ちながら時間発展していることを発見した。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] GRB Formation Rates Inferred from the Spectral Peak Energy-Luminosity Relation2004
Author(s)
Yonetoku, D., Murakami, T., Nakamura, T., Yamazaki, R., Inoue, A, K., Ioka, K.
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Journal Title
The Astrophysical Journal 609
Pages: 935-941
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