2003 Fiscal Year Annual Research Report
南半球成層圏プラネタリー波の年々変動に対する力学的解釈
Project/Area Number |
03J05015
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
日尾 泰子 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 南半球 / 成層圏 / 年々変動 / 成層圏突然昇温 / 非線形相互作用 / 惑星波 |
Research Abstract |
冬季成層圏の特徴のひとつは惑星波であり、成層圏循環を駆動するという点において重要な働きをする。そこで北半球に比べよく知られていない南半球成層圏における惑星波の年々変動を対流圏-成層圏結合、および波と波の相互作用という観点から調べた。 2002年の9月に衛星観測開始以降初めて南半球成層圏で突然昇温が起こり、極渦が2つにわれた。そこで1979年から2002年の24年のデータを用いて南半球成層圏循環の季節進行の年々変動と、2002年の特徴を明らかにした。季節進行の年々変動は真冬から晩冬にかけての季節進行の変動で特徴付けられ、それは対流圏から伝播する波の活動度とよく対応していた。2002年は他の年と比べ非常に季節進行が早いという点では特異であったが、それと対応するように真冬から晩冬にかけて他の年より非常に大きな波活動の伝播があり、対流圏からの波活動と成層圏の季節進行の関係は他の年と共通であった。 次に極渦が準周期的に振動する事例を南半球成層圏で最も卓越する成分である定常波数1成分と東進波数2成分の波と波の相互作用という観点から調べた。東進波数2成分の振幅が大きな年には定常波数1成分と東進波数2成分の波一波相互作用によって南北に節構造をもち、波数2成分と同じ角振動数の東進波数1成分が見られることがわかった。さらに東西平均東西風についてもその強さが周期的に変化していたが、それは定常波数1成分と波一波相互作用によって生成された東進波数1成分の干渉によるものであることがわかった。 上記二つの内容はすでに別々にジャーナルに投稿しており、1つは受理、もう1つは改定中である。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Hio, Y., S.Yoden: "Interannual variations of the seasonal march in the Southern Hemishere stratosphere for 1979-2002 and characterization of the unprecedented year 2002"Journal of the atmospheric sciences. (受理).