2003 Fiscal Year Annual Research Report
非線形光学現象を用いた硫化物ガラスの構造解明とその応用
Project/Area Number |
03J05159
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
米崎 功記 京都大学, 工学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | 非線形光学現象 / 硫化物ガラス / テルライトガラス |
Research Abstract |
1 遷移金属をドープしたテルライトガラスへの2次非線形光学特性付与に関する研究 (1)バナジウムイオンをドープしたNb_2O_5-TeO_2ガラスにNd : YAGレーザーの基本波と2倍波を同軸で集光照射することで、ガラス試料内部に分極構造を誘起し、2次非線形光学特性を空間選択的に付与することに成功した。 光化学反応を示す遷移金属イオン(バナジウムイオン)をドープすることで、材料に半導体の性質を与えたことが大きな2次の非線形光学特性を付与に成功した要因であったと考えられる。 (2)複数の価数状態で安定に存在し、観測する第二高調波の波長に大きな光吸収を示さないテルビウムイオンをバナジウムイオンと共にドープして(1)と同様の手順で実験を行ったところ、バナジウムイオンを単独でドープした試料より大きな2次の非線形光学特性を付与することができた。レーザー干渉光照射時にバナジウムイオンから放出された電子をテルビウムイオンがトラップしたためと考えられる。 2 硫化物ガラスへの2次非線形光学特性の付与に関する研究 (1)系統的に組成を変化させたGaS_<3/2>-GeS_2-LaS_<3/2>ガラスを作製した。 (2)作製した硫化物ガラス試料に対してNd : YAGレーザーの基本波と2倍波による光干渉場を照射することにより、ガラスに光の波長のオーダーで異方性を誘起することに成功した。誘起された異方性構造は2次の非線形光学現象の一種である第二高調波発生現象(SHG)の観測により確認した。 しかし観測された第二高調波の強度は硫化物ガラス組成に対して系統的な変化を示さなかった。 3 半導体微粒子含有ガラスへの2次非線形光学特性付与に関する研究 半導体微粒子を含有した市販のY52フィルターに対してNd : YAGレーザーの基本波と2倍波を同軸で集光照射することにより2次の非線形光学特性を付与することに成功した。また、そのレーザー強度依存性を明らかにした。
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Research Products
(1 results)