2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J05358
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山中 洋昭 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 非古典的Wntシグナル経路 / 細胞内局在 / 収束的伸長 / 細胞極性 |
Research Abstract |
脊椎動物の胚発生において収束的伸長と呼ばれる特徴的な細胞運動がみられる。この収束的伸長は非古典的Wntシグナル経路によって制御されていることが示されている。我々はこの非古典的Wnt経路の下流にJNKが存在し、収束的伸長の制御に関わっていることを報告した。非古典的Wnt経路はショウジョウバエの平面極性を制御するPCP経路と相同性が高く、共通のシグナル因子を持つことが報告されている。ショウジョウバエのPCP経路においては、細胞膜受容体Frizzledの下流で細胞内タンパク質Dishevelledを初めとするシグナル因子の局在が大きく変化することが観察されており、この局在変化がシグナルを伝達し、細胞極性を決定する上で重要な働きをしていることが示されている。同様に脊椎動物の非古典的Wnt経路においてもDishevelledなどの局在変化が重要な役割を果たしていると考えられているが、局在変化がどのように起こり、どのように下流の現象を制御しているかは未知であった。この問題を解明するため我々はアフリカツメガエル胚にGFP蛍光タンパク質を融合させたシグナル因子を他の因子と共発現させシグナル因子の局在変化を観察した。その結果DishevelledはWnt4,Wnt5,Wnt8,Wnt11と共発現させることで細胞質から細胞膜へ移行しクラスター様の局在を示すことを見出した。またこの際のDishevelledの局在変化は古典的なWntシグナル経路の下流の経路の活性化とは独立していることを示した。さらにこのWntによるDishevelledの局在変化が受容体Frizzled-7に依存しており、またFrizzled-7自身も細胞膜上でクラスター様の局在を示すことを見出した。以上の結果を第27回分子生物学会年会にて報告した。
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