2003 Fiscal Year Annual Research Report
視覚対象の認知過程における頭頂葉の役割-行為表出との関連から
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03J05460
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小早川 睦貴 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 視覚認知 / 頭頂葉 / 行為表出 |
Research Abstract |
本研究の目的は頭頂葉の持つ視覚認知機能について、行為表出との関連に着目し、その情報処理のメカニズムを探ることであった。この目的のため、以下のような取り組みを行った 課題中に使用する刺激を作成するため、いくつかの方面において調査を行った。まず、先行研究において同様の刺激を用いている研究者の報告について論文を収集し、それらの刺激の妥当性と得られた結果などについて吟味した。元々の刺激の作成者に対しEメールにてコンタクトを取り、使用の許可を得るとともに刺激の形状・素材・使用時の教示方など留意点について指導を仰いだ。刺激については現在、作成と予備的な試験を行っている途中である。 対象とする予定の両側頭頂葉損傷例については徐々に症状が進行しており、課題の遂行方法などについて変更せざるを得ない点があった。よって、この症例の認知機能の改善と症状の詳細についてより検査をするために、視覚機能・運動機能の認知リハビリテーションを行った。また、その他の頭頂葉損傷症例における障害などについて予備的に調べる目的のため、岡山県倉敷市の川崎医療福祉大学において見学研修を行った。研修では頭頂葉損傷を含む脳損傷例のリハビリテーションおよび検査場面に同行し、視覚認知・行為表出に関する検査、課題を行った。 行為表出と視覚認知機能の両方に関する検査目的で、実験心理学において用いられていたパラダイムを利用した課題を作成した。この課題については現在予備実験データを採取中であり、実用可能な段階に至ってから脳損傷患者への適用を試みる予定である。
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