2003 Fiscal Year Annual Research Report
ミャンマー軍事政権の存立基盤:地方政治構造の変容と一党独裁体制の成立
Project/Area Number |
03J05466
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中西 嘉宏 京都大学, 大学院・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ビルマ(ミャンマー) / 政治 / ビルマ社会主義計画党 / ネー・ウィン |
Research Abstract |
本年度の主要な研究実績は2つである。ひとつは2003年4月5日,6日に大阪外国語大学で行われたビルマ研究会での研究発表「ネー・ウィンとビルマ社会主義計画党」である。これは1962年から88年までビルマで続いたネー・ウィン体制について、独裁者ネー・ウィンと独裁政党であるビルマ社会主義計画党の関係を再検討した研究である。35分の発表後、活発な質疑応答がなされ、有意義な研究発表であった。 もうひとつは、研究論文「未完の党=国家-ネー・ウィンとビルマ社会主義計画党-」である。『東南アジア研究』41巻3号(2003年12月発行)に掲載された。これは昨年度京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科に提出した博士予備論文を加筆・修正したものであり、内容は上記の研究発表とほぼ同じである。 加えて、2003年6月24日から2004年3月15日までミャンマー、ヤンゴンで教育省下の国際機関SEAMEO-CHATの客員研究員としてフィールドワークを行った。本年度はビルマ語の習得、資料収集、人脈づくりを主要な課題とした。ビルマ語に関しては会話、読み書きともに調査に十分なレベルに達することができた。資料については、ナショナル・アーカイブをはじめとした主な文書館の利用許可を得、所蔵されている資料について大枠を把握した。また、古本屋を介して、社会主義期の政治行政関係の書籍を200冊ほど購入した。特に国軍およびビルマ社会主義計画党が発行した雑誌がそろったのは今後の研究にとって重要である。人脈も徐々に広がり、元教育大臣やビルマ社会主義計画党幹部養成学校の元教官等と知り合うことができた。わずかではあるが、そうした人々へのインタビューも行った。
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Research Products
(1 results)