2003 Fiscal Year Annual Research Report
反華人暴動の構造 1997-98年インドネシア各地でなぜ反華人暴動は頻発したか。
Project/Area Number |
03J05473
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
相沢 伸広 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | インドネシア / 華人 / 国家 / 資本家 / 暴動 / スハルト / 政治 / マイノリティ |
Research Abstract |
日本、インドネシア双方において、反華人暴動が頻発したスハルト政権時代を中心に、その基礎条件となっている、インドネシア政府による対華人政策に関して、資料収集および聞き取り調査をおこなった。 第一に、京都大学において先行研究の収集およびサーヴェイをおこなった。インドネシアをはじめとして、東南アジアの華人について数多く蓄積されている先行研究の趨勢を明らかにした。 第二に、対華人政策の法令、政策、公式演説の現地で収集・分析し、データベースを作成することによって、どのような分野について重点的に発令され、どのような政府内部局によって政策が立案、実行されているかを調査した。資料収集の中心となったのは、主に、ジャカルタの国立中央図書館、国立統計局、各省庁資料室であった。加えて、インドネシアでは、首都ジャカルタだけでなく、西インドネシア経済の中心地である北スマトラ州および、東インドネシアの経済の中心地、東ジャワ州における資料収集・聞き取り調査をあわせることにより、地方別の対華人政策の運用実態を明らかにした。 第三に、1960年代から1990年代にかけてインドネシア各地で噴出した各地における反華人暴動について、その報道資料を含め、データベースを作成した。これは、様々な法令の背景にある、大きな要素として、インドネシアにおける一般の反華人意識とその報道のされかたがあげられるからである。これまで、新聞等の出版物のメディアにおいて、抗議運動から暴動を含む騒動というかたちをとって反華人意識はあきらかとなり、インドネシア各地で頻発してきた。
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