2004 Fiscal Year Annual Research Report
反華人暴動の構造-1997-98年インドネシア各地でなぜ反華人暴動は頻発したのか
Project/Area Number |
03J05473
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
相沢 伸広 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | インドネシア / 華人 / 国家 / 政治 / 軍 / 官僚 / 中国 / 外交 |
Research Abstract |
反華人暴動が頻発したスハルト政権時代末期の基礎条件となっている、インドネシア政府の対華人政策について本年度は集中的に研究した。インドネシアにおいて、資料収集および聞き取り調査を実施し、日本においてその資料分析をおこなった。 インドネシアでの資料収集は主に三点にわけられる。第一に、インドネシア国立中央図書館において、新聞・雑誌資料の収集である。第二に国立公文書館をはじめ、政府関係機関の資料室等において対華人政策の関係諸機関の公文書、公刊物を収集した。第三に関係者に対する聞き取り調査および、個人所蔵の資料の収集を主にジャカルタにおいて行った。 これらの資料を京都大学においてサーヴェイ・分析し、インドネシア、スハルト政権下において、具体的にどのような対華人政策がいかなる背景および目的で実行され、それらを具体的にどの政府機関・部局担当していたのか。その点について時代と担当部局を基準に類型化しデータベース化した。これまで明らかにされてこなかった、内務省、情報機関、軍の対華人政策へのかかわり方が体系的に明らかになったことが本年度の調査の最大の成果であった。 こうして分析した資料の一部については、平成16年12月に開かれた東南アジア史学会研究大会において「スハルト政権下における華人問題の変遷」というタイトルで発表した。なお、その発表の内容について公表論文を準備中であり東南アジア研究に投稿する予定である。平成17年8月にはその成果を中国、上海で開かれる第4回ICAS国際会議(International Convention of Asian Studies)において広く国外にも発表することが決定している。
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