2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J05476
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菅野 優美 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ブレーン / 宇宙背景輻射 / 低エネルギー / 有効理論 / 重力波 / 余剰次元 / チューコルスキー方程式 |
Research Abstract |
高次元宇宙論であるブレーン宇宙論が提案されて以来、その研究は盛んに行われ、様々な議論が繰り広げられてきた。この理論は「超弦理論」と言う素粒子のモデルに基づいている。このブレーン宇宙を宇宙背景輻射の観測によって検証することは今最も重要である。しかし、ブレーン宇宙における揺らぎの進化は自明でない背景場と時間変化する境界条件のために解くことが非常に困難であった。そこで、我々はまず、低エネルギーにおける揺らぎの進化を扱う方法として微分展開法を開発した。この方法を使うことで宇宙背景輻射の温度揺らぎに対する余剰次元効果を計算することが可能となった。この研究においては簡単のためバルクは真空であると仮定した。ところで、超弦理論によるとバルクにはスカラー場があるほうがより自然である。我々は低エネルギーにおける有効理論を求めるための新しい方法である微分展開法をこのより一般的な、バルクにスカラー場がある場合に拡張することに成功した。これにより、バルクにインフラトンがあるようなインフレーションモデルによる宇宙背景輻射の温度揺らぎの計算が可能となった。また、この方法をブラックホールが放射する重力波の計算へ応用することで有効的チューコルスキー方程式の導出にも成功した。この方程式を数値的に解くことでブラックホールが放射する重力波に対する余剰次元効果を知ることができる。これにより重力波観測による余剰次元の観測へも大きく前進したことになる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Sugumi Kanno: "Low Energy Effective Action for Dilatonic Braneworld"General Relativity and Gravitation. 36. 689-712 (2004)
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[Publications] Takashi Tamaki: "Radionic Non-uniform Black Strings"Physical Review D. 69. 024010 (2004)
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[Publications] Sugumi Kanno: "Rotating Black Strings and Effective Teukolsky Equation in Braneworld"Classical Quantum Gravity. 21. 1915-1923 (2004)