2004 Fiscal Year Annual Research Report
スピンの量子非破壊測定によるスピンと光の非古典的状態の生成
Project/Area Number |
03J05492
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹内 誠 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イッテルビウム / 原子線 / 磁気光学トラップ / 波長399nm / スピンスクイジング / 1軸ひねり |
Research Abstract |
昨年度製作したイッテルビウム原子線装置を用い、原子線を光ポンピングによりスピン偏極させ、ファラデー回転を測定した。そのファラデー回転スペクトルには原子スピンに起因する雑音が観測された。その雑音の大きさは、原子スピンの量子射影雑音のレベルであった。つまり、原子スピンを量子状態が見える精度での観測に成功した。この結果について、日本物理学会2004年秋季大会14pTF-4にて発表した。 しかしこの原子ビーム装置は、スピンスクイジングのためには原子数がまだ足りなかった。そこで、イッテルビウム原子を磁気光学トラップし、原子数を増大させる計画を立てた。そのために必要な光学系の製作を行った。波長399nmの光として、回折格子と共振器でレーザーダイオードに外部共振器を設置し、線幅1MHz以下の周波数安定性を保つ光源を製作した。しかしこの光源の出力は10mWで、磁気光学トラップには不十分なため、この光源の光を、さらに別の2個のレーザーダイオードに入射することで注入同期を起こさせ、出力合計90mWを得ることができた。また、399nmの光だけでは冷却サイクルからの分岐があるため、原子数が十分蓄積できない可能性もある。そこで649nm、770nmの光源も準備した。その他、磁気光学トラップに必要な、コイル、真空装置、パソコンによる制御装置の製作も行った。 昨年度、新たな非古典的スピン状態の生成方法として、「コヒーレント光による1軸ひねり」という手法を発見したが、今年度、それを投稿論文の形にまとめた。
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Research Products
(1 results)