2005 Fiscal Year Annual Research Report
スピンの量子非破壊測定によるスピンと光の非古典的状態の生成
Project/Area Number |
03J05492
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹内 誠 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | スピン / イッテルビウム / レーザー冷却 / 注入同期 / 紫外半導体レーザー / ポラリメーター |
Research Abstract |
昨年度にイッテルビウム原子(Yb)の原子ビームでのスピンの量子雑音の測定に成功した結果を、投稿論文としてまとめた(現在査読中である)。今年度は冷却原子のスピンの量子雑音の測定、さらには量子非破壊測定に向けて、新たにの磁気光学トラップ(MOT)装置を製作した。光源として、紫外半導体レーザーを回折格子で周波数安定化させた外部共振器半導体レーザーをマスターとし、2個の紫外半導体レーザーをスレーブとして注入同期し、レーザー冷却に十分な紫外光を得ることができた。真空槽として、既存の原子ビーム装置にゼーマン減速領域を追加し、MOT領域には光学的アクセスに有利なガラスセルを使用した。これらを用い、半導体レーザーを用いたYb原子のMOTに成功した。このシステムは、Yb原子のレーザー冷却装置としてはコンパクトかつ安価という特徴がある。そして、MOTから解放後に光ポンピングを介してスピン偏極し、その状態をファラデー回転で測定した。解析の結果、ほぼ完全に偏極されたと見積もられた。Yb原子は電子スピン0で核スピンのみを保有するのでスピン偏極を保持しやすいと期待されるが、期待通りの結果を得ることができた。この最新の結果も含めて、本研究で行ってきた、スピン偏極Yb原子によるファラデー回転を投稿論文としてまとめた。本研究によって、Yb原子がレーザー冷却可能な上、高いスピン偏極を保持できることが明らかになったが、スピンに関する基礎物理にYb原子が採用されることが期待される。さらに、これまで続けてきたファラデー回転をパルス的に測定するポラリメーターの開発を完了し、投稿論文としてまとめた。
|
Research Products
(2 results)