2004 Fiscal Year Annual Research Report
太陽フレアによって生じる衝撃波の発生および伝播メカニズムの解明
Project/Area Number |
03J05497
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
成影 典之 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 太陽 / フレア / 衝撃波 / 電磁流体力学 / リコネクション |
Research Abstract |
本年度は、主に「太陽フレアによって生じる衝撃波」と「リコネクション・インフロー」の研究を行った。 「太陽フレアによって生じる衝撃波」についての研究は、京都大学飛騨天文台のフレアモニタ望遠鏡で観測されたMoreton waveの統計的研究を進めた。Moreton waveはHα線で観測される波動現象で、コロナ中を伝播する電磁流体衝撃波と考えられている。この現象は、非常に稀な現象であるが、フレアモニタは10数例のMoreton waveを観測しており、その統計解析は非常に重要である。本研究では、Moreton waveの発生頻度や、発生条件を詳しく調べている。 「リコネクション・インフロー」についての研究は、極紫外線で観測されたインフローを13例発見し解析を行った。現在、太陽フレアを説明するモデルとして、磁気リコネクション説が広く支持されているが、その証拠の1つであるインフローの観測は、これまで1例しか報告されていなかった。そこで、これまでの観測データを調べなおすことによって、新たに13例のインフローを発見した。この発見によって、インフローの存在に一般性が出てきた。この結果については、現在論文を投稿中である。 さらに、X線で観測されたインフローも1例発見した。このイベントでは、磁気リコネクションが起こっている現場(X-point)に特殊な電波源があることを発見した。X-point付近の電波源の発見はこれがはじめてで、現在詳細に解析中である。
|