2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J05502
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
隅田 土詞 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 素粒子実験 / K中間子 / 稀崩壊 / CP対称性の破れ |
Research Abstract |
本研究では以下に述べる二つのK中間子稀崩壊実験に関わる研究、開発を進めた。 第一は高エネルギー加速器研究機構で行われているE391a実験における研究である。この実験は中性K中間子が中性パイオンと二つのニュートリノに崩壊する過程の分岐比測定を行うことが目的であり、同時にこの測定を主目的とする世界初の実験である。2005年1月より3月にかけて第二期のデータ収集が行われたが、その中でデータ収集システムの改善、新検出器の製作、シミュレーションソフトウェアの開発、物理解析、等を行った。また、昨年行われた第一期の実験データを元に、検出器の性能評価やエネルギー較正を行い、平成16年9月に高知大学で行われた日本物理学会2004年秋季大会で発表を行った。また、メインの検出器となるヨウ化セシウム結晶の較正について詳細に研究し、論文にまとめた(Nuclear Instruments and Methods Aに掲載予定)。さらに第二期実験のデータが蓄積され始めてからは、第一期以降に行われた検出器の改善について、得られた物理データをもとに詳細な評価を行い、また、より効率の良いデータ解析手法についての研究を行った。 第二はアメリカ合衆国BNL研究所で予定されているKOPIO実験における開発研究である。この実験は上述のE391a実験と同じ物理過程の詳細測定を目的としており、世界で初めてのイベント観測をめざしており、宇宙の粒子・反粒子のバランスの崩れのもととなるCP対称性の破れの起源を研究する。この実験は現在、測定器の開発段階にあるが、この中で特に中性ビーム中に置かれる光子検出器やビームパイプ内に設置される荷電粒子検出器についての基礎研究を行った。
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Research Products
(3 results)