2003 Fiscal Year Annual Research Report
スペクトル解析によるニュートリノ振動現象の直接検証と振動パラメータの精密測定
Project/Area Number |
03J05507
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷川 雅也 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ニュートリノ振動 / フレーバー混合 |
Research Abstract |
本年度は、エネルギースペクトルの精密測定及びニュートリノ反応の詳細な研究を目的として、K2K実験前置検出器に「全感知型シンチレータ飛跡検出器(SciBar)」を導入し、データ収集を開始した。 導入前には、検出器に用いる全15000本の波長変換ファイバーの減衰長の測定を自動で行うシステムを開発し、実際に3%の精度で全数の測定を行った。さらに全15000chの光検出器のキャリブレーションを行い、検出器の性能を最大限に発揮するための各PMTの最適な印加電圧の値を決定し、また絶対ゲインの測定を行った。 また、全15000chの光検出器のゲイン較正及び安定性のモニターのためのシステム(HASE moni)を開発し、検出器に導入した。本システムはLEDを光源として用い、クリアファイバーネットワークと較正用に開発した光拡散筒を用いて全チャンネルを一度にモニターする安価で汎用性のある新しいタイプのシステムである。このシステムは、導入後、半年間安定して動作し、全15000chのゲインを0.1%の精度で測定して、1%以下のゲイン変動も確実にモニターできている。 さらに私はモニターデータと宇宙線ミューオンを用いて、ビームタイミング中に検出器の各構成要素をキャリブレーションする方法を確立し、・半年間でのシンチレータの光量等の劣化がない(<0.7%)事を確認。 ・半年間での波長変換ファイバーの減衰長の劣化がない(<1.4%)事を確認。 ・各シンチレータ間の相対的なエネルギースケールを1.5%の精度で較正。 を行った。 また、検出器及びエレクトロニクス周辺の温度をモニターするシステムを開発導入し、半年間安定してモニターした。
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[Publications] M.H.Ann et al.: "Indication of neutrino oscillation in a 250km long baseline experiment"Physical Review Letters. 90・4. 1801 (2003)
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[Publications] Y.Fukuda et al.: "Super-Kamiokande detector"Nucl.Instrum.Mcth. A501. 418-462 (2003)