2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J05518
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤本 桂三 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 磁気再結合 / 電磁粒子コード / 適合格子細分化(AMR) / スケール間結合 / 磁気再結合率の減衰 / PSBL / 電子加熱 / 静電孤立波(ESW) |
Research Abstract |
本研究では、従来のPartile-In-Cell(PIC)法に適合格子細分化法(AMR法)を適用することによって、従来よりも大きな計算領域で磁気再結合現象の電磁粒子シミュレーションを行い、電子スケールとイオン・MHDスケールの結合過程を明らかにすることを目的としている。 前年度までの研究で、PIC法とAMR法を組み合わせた2次元電磁粒子コードの開発に成功し、さらに、粒子分割法を適用しコードの並列化を進めることによって、従来の粒子コードに比べて大幅に効率のよい計算が可能となった。 今年度は、この新しい2次元電磁粒子コードを用いて、従来よりも10倍程度大きな計算領域で磁気再結合現象の数値計算を実施し以下の成果を得た。(1)磁気拡散領域の長時間わたる非線形発展を調べた。その結果、ホール効果によって一度は高い再結合率が実現されるが、その後、再結合率は大きく減衰することがわかった。本研究では、これがイオンのメアンダリング運動にともなって電子磁気拡散領域が長く伸張するためであることを示した。(2)磁気再結合現象にともなうエネルギー輸送過程に関連して、プラズマシート-ローブ境界領域における電子の加熱過程を調べた。その結果、背景の冷たい電子と高温のビーム電子との間で電子二流体不安定性が励起され、電子が磁力線方向に加熱され、いわゆる、フラットトップ型の分布関数が形成されることがわかった。フラットトップ型の電子分布関数はこれまでの人工衛星による観測でもしばしば検出されていたが、その生成機構は明らかにされていなかった。さらに、磁気再結合現象にともう電子二流体不安定性が非線形的に発達することによって静電孤立波(ESW)が生じることも示した。
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Research Products
(1 results)