2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J05518
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤本 桂三 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 磁気再結合 / 電磁粒子コード / 適合格子細分化(AMR)法 |
Research Abstract |
本研究では、磁気再結合領域周辺の物理素過程の中でも特に、磁気再結合のトリガー機構および磁気再結合に伴うプラズマの加速・加熱機構を明らかにすることを目的としている。最近の研究で、これらの過程において、電子スケールの現象とイオンスケールの現象の結合過程が重要な役割を担っていることが示唆されているため、磁気再結合現象の詳細な物理素過程を解明するためには、さまざまなスケールの現象を自己無撞着に記述できる数値シミュレーションが必要不可欠になってきている。しかしながら、Particle-In-Cell (PIC)法を用いた従来の電磁粒子コードでは、計算領域全体の格子点間隔を一様にしていたため、電子のデバイ長が小さくなるごく一部の領域を正確に記述するためにその他の領域でも格子点間隔を小さくとる必要があった。そのため、計算機資源の制約から十分大きな計算領域を確保することが難しかった。 このような問題を解決するため、本年度はまず、従来のPIC法に、格子点間隔を現象のスケールに応じて適宜粗くしたり細かくしたりすることのできる適合格子細分化法(AMR法)を組み合わせた2次元電磁粒子コードの開発を行った。複数の階層格子を横切ってプラズマ波動が正しく伝播するかどうかを確かめるために、静電波と電磁波の代表例として、それぞれラングミュア波と正常波の伝播をテストした。その結果、両者とも正常に伝播し誤差はほとんどなかった(2万時間ステップで全エネルギーの誤差は1%以下であった)。さらに、ラングミュア波のランダウ減衰についても理論とよく一致する結果が得られた。また、以上の検証を通して、格子が自動的に再構築されることも確認している。これらの結果から、PIC法とAMR法を組み合わせた2次元電磁粒子コードはほぼ完成したと言える。
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Research Products
(1 results)