2004 Fiscal Year Annual Research Report
ワイドギャップ半導体炭化硅素の伝導性制御と新構造縦型超接合デバイスへの応用
Project/Area Number |
03J05534
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
根来 佑樹 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 炭化硅素 / シリコンカーバイド / イオン注入 / 深い順位 |
Research Abstract |
物性限界に近づきつつあるSiパワーデバイスの限界を打破し、超高性能パワーデバイスの実現が可能なワイドギャップ半導体炭化硅素(SiC)が注目されている。本研究では、局所的な中濃度p型領域の伝導性制御に関する研究を行った。4H-SiC(0001)面にAlまたはBを室温注入し、ボックスプロファイル部および注入飛程端の電気的特性を詳細に評価した。室温でのAl注入の場合、1700℃のアニールによりAl原子のわずかな内方向拡散(50nm)が見られたものの、ボックスプロファイル部、注入飛程端部ともに注入したAlのほぼ100%がアクセプタとして機能していることが判明した。一方、室温でのBイオン注入の場合、アニール時に著しい外方向拡散および内方向拡散が起きた。ちょうど注入飛程端に相当する領域では高密度の欠陥(Bを含む深い準位)が発生し、電気的活性化率が著しく低下していた。アニール時の内方向拡散と外方向拡散を抑制するためには大量(Bの10倍量)のCを共注入することが有効であることも明らかにした。ただし、拡散は抑制できたものの、BとCを含む複合欠陥(深い準位)が発生することから、電気的活性化率が著しく悪化することも併せて明らかにした。中濃度p型領域形成時においても、注入分布の制御性、飛程端を含めた電気的活性化率と深い準位の低減の全ての観点で、Al注入の方がB注入より優れていることがわかった。
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Research Products
(6 results)