2005 Fiscal Year Annual Research Report
ワイドギャップ半導体炭化硅素の伝導性制御と新構造縦型超接合デバイスへの応用
Project/Area Number |
03J05534
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
根来 佑樹 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 炭化硅素 / シリコンカーバイド / 埋め込み成長 / ホール効果 / パワーデバイス |
Research Abstract |
物性限界に近づきつつあるSiパワーデバイスの限界を打破し、超高性能パワーデバイスの実現が可能なワイドギャップ半導体炭化硅素(SiC)が注目されている。本研究では、新構造縦型超接合デバイスの耐圧保持部分に相当する超接合領域の形成技術に関する研究、スイッチング部分に相当するSiCと酸化膜界面(MOS界面)の電子物性(伝導性)制御に関する研究をおこなった。n型4H-SiC(0001)面にストライプ状に深さ3〜4ミクロン、幅2ミクロン程度の微細なトレンチを形成し、化学気相堆積法(CVD成長)によりp型SiC成長層をトレンチ内部に埋め込むことによって超接合構造を形成した。CVD成長時に空洞等を発生させることなく、完全にトレンチを埋め込むためには成長条件に工夫が必要であることがわかった。成長時に多数の反応種がトレンチ内部にまでマイグレーションし、埋め込み成長に寄与するためには、Si原料ガス流量を増大させることやC原料ガスとSi原料ガスの混合比を低減することが効果的であった。これは、これらの条件ではSi原子の表面拡散長が大きいことに起因している。一方、スイッチング部分に相当するSiCと酸化膜界面の電子物性制御に関しては、ホール効果測定により界面チャネル領域の伝導性を詳細に評価した。ホール効果から評価した電子移動度は、MOS型デバイスのドレイン特性から見積もられる実効チャネル移動度よりも2倍程度大きいことが判明した。これらの移動度を比較検討することで、MOS界面中の界面準位が高密度の電子を捕獲していることが明らかになった。
|
Research Products
(2 results)