2004 Fiscal Year Annual Research Report
環状プソイドペプチドを範とするゲノム情報収斂型ユニバーサル創薬テンプレートの創製
Project/Area Number |
03J05575
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
新居田 歩 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | peptidomimetics / diketopiperazines / organocopper reagents / reduction / fluoroalkene / dipeptide isosteres / cis-amide / drug discovery |
Research Abstract |
本年度は、ジケトピペラジン骨格におけるアミド結合の一つを、通常の(Z)型アルケンに比ベアミド結合に対しより静電的に相同性が高いと考えられる(E)型フルオロアルケンに置換したジケトピペラジンミメティクスの合成を行った。不斉補助基を利用して合成したキラルβ-アミノ酸を出発原料として、5工程で鍵合成基質である、γ,γ-ジフルオロ-α,β-不飽和-δ-ラクタムを合成した。本基質に対し、Me_3CuLi_2・LiI・3LiBrに代表される高次有機銅試薬を作用させると脱フッ素化を伴う還元反応が進行しXaa-Gly型(E)-フルオロアルケン含有ジケトピペラジンミメティクスが得られた。また、この還元反応において、反応中間体として生成する金属エノラートを求電子剤で補足することでα位に置換基の導入されたXaa-Yaa型ミメティクスも合成可能である事を明らかにした。今後は、導入可能な側鎖の多様性及び、アルキル化反応の立体選択性の制御についてさらに検討するとともに、前年度に合成法を確立した(Z)型アルケン含有ミメティクスとともに本フルオロアルケンミメティクスを用いた生理活性化合物の探索を行う予定である。一方で得られたジケトピペラジンミメティクスの開環反応について検討し、これまでに効率的な合成法の存在しなかったcis型ペプチド結合等価体としての(E)-フルオロアルケンジペプチドイソスターの効率的合成法の開発を行った。N無保護のミメティクスをラクチムエーテルに変換した後、酸加水分解を行う事で、中程度の収率で(E)型フルオロアルケンイソスターが得られる事を明らかにした。収率のさらなる向上と、開環時に観測されるα位のエピメリ化の抑制が今後の課題である。現在得られたイソスターの生理活性ペプチドへの応用を検討している。
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