2004 Fiscal Year Annual Research Report
新しい機能性共役系ポリマーの設計と特性に関する研究
Project/Area Number |
03J05591
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阪口 壽一 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ポリアセチレン / 分離膜 / 金属触媒重合 / フルオロ基 / 脱シリル化 / 気体透過性 |
Research Abstract |
近年、二酸化炭素の分離回収など気体の分離技術が求められている。そのため気体透過性ポリマーが分離膜材料として期待されている。当研究室では、脱シリル化法により不溶性の高気体透過性ポリアセチレン膜が調製できることを見出した。本研究では、種々の大きさのシリル基を有するポリアセチレン膜を合成し、その脱シリル化ポリマーの気体透過性を調べた。 トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルオクチルシリル基を有するジフェニルアセチレン(1a,1b,1c)をTaCl_5触媒により重合し、高分子量のポリマーを得た(2a,2b,2c)。これらのポリマーは一般の有機溶媒に完全に溶解した。ソルベントキャスト法により2a、2bおよび2cから丈夫な自立膜を調製することができた。 ポリマー膜(2a,2b,2c)をトリフルオロ酢酸で処理することにより、脱シリル化ポリマー(3a,3b,3c)膜を調製することができ、これらはあらゆる溶媒に不溶であった。しかしながら、シリル基がフェニル基のメタ位に結合しているポリマーについては脱シリル化反応が完全に進行しなかった。 2a,2b,2c膜の酸素透過係数(PO_2)はそれぞれ1500、550、28barrerでありシリル基が大きくなるにつれ酸素透過性が減少することがわかった。脱シリル化後の3a,3b,3c膜のPO_2は910、2500、3300barrerと脱離するシリル基が大きくなるにつれ透過性は増加した。 本研究により、膜状態の脱シリル化反応について、シリル基の種類や位置と反応性について明らかになった。種々のシリル基を脱シリル化することにより、脱離するシリル基のサイズが気体透過性に与える影響を明らかにした。
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Research Products
(3 results)