2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J05602
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
新京 楽 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ダイオキシン代謝酵素 / シトクロムP450 / 部位特異的変異導入 / 環境浄化 / TCDD / ダイオキシン |
Research Abstract |
これまでに、申請者はラットシトクロムP4501A1(CYP1A1)に対して部位特異的変異導入を行い2,3,7,8-テトラクロロジベンゾパラダイオキシン(TCDD)に対して水酸化活性を示す変異体、F240Aの作製に成功した。さらに、このTCDD代謝酵素を真核生物である酵母や原核生物である大腸菌において、シトクロムP450還元酵素(CPR)と共発現させ、その発現微生物を用いてダイオキシン類の代謝に成功した。 そこで、次に土壌などでの生育に優れ、より環境浄化への応用が期待できる、放線菌においてこれらのP450の発現を試みた。宿主としては、ホストベクター系が確立しているStreptomyces lividans TK24株を用い、ラットCYP1A1およびF240Aの発現を試みた。しかし、SDS-PAGEおよびウエスタンブロッティングにおいてもP450の発現を確認することはできなかった。 一方、真核生物である担子菌の中には、ダイオキシン類に対して代謝活性を示すものが存在することが知られている。この担子菌は、土壌中に菌糸を伸ばしながら成長していくため、放線菌と同様にダイオキシン汚染土壌での生育も可能であり、環境浄化への応用に適していると考えられる。そこで、まず、担子菌の1種であるwhite-rot basidiomycete Coriolus hirsutusにおいてラットCYP1A1を発現させることを試みた。この担子菌はもともとダイオキシンの1種である2,7-ジクロロジベンゾパラダイオキシン(2,7-DCDD)を代謝しうる微生物であるが、ラットCYP1A1を発現させると、その組み換え担子菌は野生型と比較して8倍以上も高い2,7-DCDD代謝活性を示すことが明らかになった。今後、TCDD代謝酵素であるF240Aの発現などを試みていく予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Rat cytochrome P450-mediated transformation of dichlorodibenzo-p-dioxins by recombinant white-rot basidiomycete Coriolus hirsutus2005
Author(s)
Orihara, K., Yamazaki, T., Shinkyo, R., Sakaki, T., Inouye, K., Tsukamoto, A., Sugiura, I., Shishido.K.
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Journal Title
Applied Microbiology and Biotechnology 69
Pages: 22-28
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