2005 Fiscal Year Annual Research Report
筋分化における新規Snailファミリー遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
03J05641
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 素行 京都大学, 医学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | Snailファミリー |
Research Abstract |
本研究はZnフィンガーをもつ転写因子Smucの機能を解析することが目標である。 Smucはマウスの成体及び後期胚の骨格筋で発現している。またSmucはE-boxモチーフに結合し、MyoDとDNA結合において競合する。以上のことから、SmucはMyoDなどの筋分化調節因子を抑制し、筋分化を調節しているという仮説を考え、個体及び培養細胞を用いて仮説を検証してきた。昨年度まではKOマウスの表現型の解析、培養細胞を用いた解析を行ってきたが仮説を証明する結果は得られなかった。 本年度は、Smucの下流遺伝子の検索、他の発現部位でのSmucの機能解析を行った。 ・Smucの下流遺伝子の検索 SmucのZnフィンガードメインにVP16のactivation domainとEngrailedのrepression domainをそれぞれ結合した。それらを中胚葉系の幹細胞である10T1/2に発現させ、サブトラクションを行った。サブトラクションにより得られた130クローンをノザンブロットにより確認したが、明確に差が有る遺伝子はなかった。 ・他の発現部位でのSmucの機能解析 ESTデータベースサーチにより胸腺、脾臓、皮膚には筋肉よりも強くSmucが発現していることがわかった。 RT-PCR, in situ hybridizationにより発現を解析し、皮膚の発現は毛の髄質に局在していることがわかった。毛は周期を持っており、成長期、退行期、休止期の順に繰り返し進んでいる。Smucはそのうち成長期の毛の髄質にのみ発現していることがわかった。 現在、毛でのSmucの発現のより詳細な解析、毛の周期の速度の差などに注目して解析を進めている.
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